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酒・酒店ナビ酒店に求められるもの > 酒店の店主(1)

酒店の店主(1)

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その昔、酒店の店主に求められる資質は、酒に対する知識よりも、むしろ御用聞きとしての才能でした。地域の家々を訪ねながら注文を受け、時に新商品を勧めて新たな注文を受ける。そんなことを繰り返す中で、町内になくてはならない人になり、町内会の役員も勤めていたりする。それが酒屋の大将という存在でした。

酒を運ぶのは力仕事ですから、主人は身体が小さくても大きくても、力はつよくなくてはならなかったのです。ある程度以上の年齢の方なら、酒屋の主人がビンビールを配達してくれたのを覚えている人もいるでしょう。しかし、いつしか日本酒を一升瓶で買う人は減少し、ビンビールは缶ビールにと変化しました。それでも町内に酒屋は絶対に必要な存在でした。それというのも酒店は法律で保護されていたからです。

競合店はほぼないといっても良い状況の中で酒店は、いわばのびのびと利権に乗って商売をしていたといってもよいでしょう。しかし、現在では、道路沿いには必ずあるコンビニエンスストアでも酒類は手軽に手に入れることができます。またその品揃えも決してあなどれるものではありません。

あまり酒にこだわりのない方なら、コンビニエンスストアにおいてある酒だけで十分満足できるのではないでしょうか。日本酒も、洋酒も、焼酎も、発泡酒も、ワインも、ほぼあらゆる酒が過不足無く揃っています。ご存知の通り、コンビニエンスストアは、どんな時間にどんな客がどんな条件でどの商品を購入するかといったことが綿密に分析されています。したがって、一般的な消費者に対する品揃えで、普通の酒店が勝るのは実にたいへんなのです。

コンビニエンスストアは多くの場合、定価販売ですから、町の酒店が同じ品揃えでコンビニエンスストアに打ち勝つためには、値段勝負にならざるを得ません。しかし、酒だけが主力商品である酒店が、価格勝負をしかければ、消耗戦に陥り、やがては様々な商品が揃うコンビニに負けてしまうのは目に見えています。現在の酒店の店主はコンビニエンスストアに真っ向勝負を挑むべきではありません。



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